こちらのサイトでも何回か取り上げてきましたが、SES業界は闇だブラックだと言われることが多いですよね。
しかし、なんでこうなってしまったか、という歴史って意外と語られていないような気がします。
昔はどんなことをやっていたのか、またどんな経緯でこうなってしまったのかをまとめてみます。
あんまり意味はないエントリーになりますので、雑談程度に(笑)
昔々の商流
今からうん十年前のIT業界、当時の契約は言うなれば互助会のような仕組みと言えたのではないでしょうか。
一人の技術者が現場に入るのに仲良しの会社さんが商流の間にいーっぱい入ります。
逆に仲良し会社の人が現場に入るときは商流に入れてもらったりしていました。
あまりにも商流がぐるぐるとループするので同じ会社が2回入りそうになったりしたとかしないとか。
つまり昔は一人の技術者が案件参画することで出る利益をみんなで分け合っていたと言うことですね。
コンプライアンスもあったもんじゃない、という状況でした。
当然技術者さんに還元されるべき利益も会社が吸収していたのは想像に難くないでしょう。
ブローカー営業の背景
ブローカー営業とは、商流に技術者を出していない会社が入っていることを言います。
まさに上記「昔々の商流」で書いた関係ない会社がいっぱい入り込んでいる状態を指します。
最近でもプロパ技術者のいない会社さんも多く、パートナーさんだけの体制にも関わらずそのまま商流に入り毎月の売り上げにされている会社さんもいるようですね。
本来であれば営業支援の名目で1月だけの売り上げにすべきだと思うのですがどうなでしょうか。
やはりこのブローカー営業がSES業界の一番の悪癖と思われますので、くれぐれもコンプライアンスに気を付けた契約を心掛けてほしいものです。
偽装派遣・夫婦契約の背景
偽装派遣とは、派遣の資格を持っていない会社さんが技術者一人を案件に参画させる場合に、請負契約と偽って準委任契約のような仕事(納品物が作業報告書)をさせることを言います。
夫婦契約も同様に1名を参画させたいのですが、準委任契約は複数名で契約しないとならないため、営業さん+技術者さんなどの組み合わせで0.1人月+0.9人月で契約するものです。
二人一組での契約なので夫婦契約と名付けたみたいです。
偽装派遣を発動出来るのは上位会社も請負で受注している時だけですので上位も準委任契約の場合は夫婦契約で契約の不整合を回避しています。
何故こんな事になったのでしょう。
実は昔は『特定派遣』という正式な制度があり、これは申請すれば誰でも使えるようになる派遣契約で、通常の派遣契約と同じように1名契約が出来るものでした。
この制度が一昨年に廃止になり一般派遣の資格を持っていない会社は1名での契約は出来なくなってしまったのです。
そこで人数に縛られない請負契約をするか、2名に見える夫婦契約をするようになってしまったわけです。
個人的には特定派遣は悪い仕組みじゃなかったと思うんですけどね…。
いくら偽装しても労基が入った場合、本質的にどのような契約かを見られることになります。技術者の事を考えて体制を構築してほしいものです。
おわりに
それぞれの会社さんで事情は色々あると思いますし、コンプライアンスを守っていたら仕事が成り立たない、もしくは人を集めるときにきれい事だけでは集まらないという言い分も分かります。
ですが、ブローカー営業や偽装契約によって、IT業界、ひいては自分の会社の地位を落としていることも考えてほしいと思っています。
中抜きを許さない、という業界構造になれば、商流も浅くなり技術者に支払える給料も増やすことができるのです。
より良い方向に業界全体が進んでくれることを祈ります!
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