せっかくSESアドバイザーをはじめましたのでどんな内容をやっているのか何回かに分けてお話ししていこうと思います。
今回はお仕事が忙しいと後回しにしがちな業績管理についてです。
請求書に対して入金があればお仕事は回ってしまいますし、決算になればPLも出てきてなんとなく業績は管理出来ていると思いがちですが、ここでお話ししたいのはサマリー後の数字では無く、誰をどこにアサインしどれだけ売り上げて原価がどれくらいかかったのか、という粒度の細かい管理になります。
またこういった管理をしておくと、年間計画や実績・見込みの管理まで出来るようになり、自社の『IT企業としての実力』が見える化できるようになります。
そして何より技術者の方々がどんな案件にどれだけアサインされているかを把握して欲しいと思います。
それは技術者さんが望んでいる所なのか判断する材料になるはずです。
この管理で出来るようになること
業績管理をしっかりすることでこんな事が見えるようになります。
○プロジェクト別売上原価実績
プロジェクトや契約毎の売上・原価・利益・利益率が見えるようになります。
○顧客別売上
顧客別に年間いくら売り上げたか、または売り上げたいかを管理できるようになります。
○売上損益
売上、原価、利益率などの月別(進行基準、検収基準)の金額が把握出来るようになります。
○担当者別の売上管理
売り上げ目標、現状の見込み、また目標まであとどれくらいなのかなども見える化出来ます。
KPIの管理にも使えます。
○各指標
パートナー比率、社員あたりの売上・利益(進行基準、検収基準)などが把握できるようになります。
こういった指標が見えるようになると、例えば「重点顧客に注力出来てなかったな」とか「このプロジェクト、原価がどれだけ掛かったか把握出来てなかった」など仕事はしているけど把握出来ていなかったことが見えてくると思います。
管理する内容
さて、業績管理と言っても具体的にはどんなことを管理すれば良いのでしょうか。
一つずつ見てみましょう。
○顧客一覧
契約している、もしくは契約を目標にしている顧客をコードを付けて一覧化します。
○プロジェクトグループ一覧
契約単位ではなく、そのグループを作ってコードを付けて一覧化します。
例えば同じプロジェクトにSESで参画している場合、契約は単月でも継続している期間継続しているグループとして登録します。
○プロジェクト一覧
契約単位(正確には検収単位)のプロジェクト一覧を作成します。案件担当営業、受注日、検収日、期間などを管理しましょう。
ここで重要なのはプロジェクト名です。きちんとシステムの実体を表している名前をつけてください。間違えても『システム開発支援』ばっかりの一覧にしないでくださいねw
○原価一覧
どこに所属する誰サンは原価がいくらなのか、またいくらの見込みなのかを一覧化します。
この一覧には社員以外にも、現在契約していて今後も契約したいパートナーさんや、計画段階であれば中途で採用する目標人数、パートナーの増員計画の要員も記載します。
○売上原価一覧
誰が(原価一覧のコード)、どの案件に(プロジェクト一覧のコード)、何人月参画していくら売り上げたかを、12ヶ月分記載します。
これも原価と同様に目標の要員も記載します。
実際の使い方
経営をしている方であれば、上記説明でなんとなくイメージは沸いて頂けたのでは無いかと思います(沸いていない方は是非アドバイスさせてくださいw)
では、この管理表どのように作成していくのか見てみましょう。
○期首の予算を考える時
期首の時点で確定しているプロジェクトはA案件、ほぼ確定している案件はB案件、なんとなく心当たりがある案件をC案件、全く心当たりが無い場合はD案件としてプロジェクト一覧を登録します。
また、要員についても自社社員のアサイン予定を登録します。
そうした場合、目標としている売上が足りない場合は、仮の名前で社員やパートナーさんを登録しましょう。
プロジェクトがA~D案件に分かれたことで、営業担当の今期目標が見えてきます。
Cまではある程度目処が立っている訳ですから、Dの案件分だけ新規を獲得する必要があるわけですね。
また仮で登録した人は今期の採用・新規パートナー数の目標値となります。
プロジェクトには顧客が割り当てられていますから、顧客別の売り上げ目標も見えてくる、というわけですね。
○月々の業績管理
月毎にプロジェクトや要員の契約実績と状況(A~D案件)を更新します。
そうすることで、目標の達成状況や来月以降の見込みなどがひと目で見えてきます。
営業さんの成績も目標達成具合と不足分が見えてきますので、ただ単に「あと何件」と言うより、どんな方向で頑張れば良いのかを具体的に共有出来るようになると思います。
この管理で良いところは見込みが把握出来るという点です。計画値との比較も当然されているので、その差異は見ることができるのですが、来月以降の見込みがおろそかになる場合もありますが、この管理方法であれば、このまま行けば、とかこの調子ならという感じで年間の計画達成見込みがみえるようになります。
完成基準・進行基準は収益認識基準へ
2021年4月より会計の管理基準が収益認識基準に変更されました。
IT企業であれば検収を基準として管理されることになります。
私が用意している業績管理はもちろん検収基準にも対応していますが、進行基準にも対応しています。
これは実力値として進行基準(稼働率に近い考え)で管理したいこともあるからです。
逆に進行基準と検収基準で差が大きい場合、請負案件が増えてきてキャッシュフローを意識する必要が出てきたことを示しています。
おわりに
如何でしょうか。大まかに内容を理解して頂けたかと思っています。
具体的なところはやっぱり管理表を目で見ないと分からないと思いますので、興味を持って頂けたら是非ご連絡頂けますと幸いです。
次回以降もアドバイザーとしてどんなことをやっていきたいかをご紹介していこうと思います。
アドバイザー始めました
https://www.sessales.net/?p=446
コメント